稲妻

稲妻は空中放電によって生ずる火花で、光るためにイナビカリともいいます。また、雷鳴を伴って蒼空を一閃する稲妻は、文字通りイネとの関連が深く、稲の穂に由来しています。雷が晩夏の結実期に多く実りの雨を伴うことから、豊作の兆しとして昔から崇められてきました。
稲妻の文様は、直線がつぎつぎと曲折していく幾何学模様で、古くから陶器、漆器、金工、木彫、建築などに多く用いられてきました。使用家は、公家の山科家、武家の備中岡山藩の伊東氏ほか中島・御手洗・伊勢・竹田の諸氏です。家庭に幸福を招く強運の紋で縁起のよい紋です。