古代からアサは衣料の中心であり、生活になくてはならない必需品でした。上野、下野は産地として有名です。神紋として麻紋を用いている阿波国鳴戸市にある大麻比古神社は、衣料の神として大麻比古大神(天太玉命)を祀っています。
麻紋はこのアサの葉を紋章にしたもので、形は葉をそのまま模した葉型と正六角形を原形とした星形にわけられます。星形模様のほうは鎌倉期にはすでに建築、染織、漆工等にひろく用いられ、これをつないで 「麻の葉つなぎ」 「麻の葉くずし」などと呼ばれました。また、婦人の長襦袢や女帯、子どもの産衣などにも用いられてきました。
使用家は大麻比古神社の神主である永井氏のほか、上代の麻の産地から発祥した麻生(麻布)、麻(阿佐)、麻田氏などです。
家庭に幸福を招く強運の紋で縁起のよい紋です。